伝言板を閉鎖しました。

 「名古屋の小演劇スケジュール」に付属して開設していた「伝言板」を閉鎖しました。長期間にわたって出会い系サイトの宣伝しか書き込まれない状態が続いたため、整理することにしたものです。

 「名古屋の小演劇スケジュール」には掲示板と伝言板が設置してあり、公演情報は掲示板、それ以外の雑談等は伝言板と使い分けていました。掲示板への書き込みはほとんどありませんが、現在も継続中です。

 東京版には伝言板に相当するものがありませんが、私宛のメッセージはブログへのコメントによって行うことが可能であるため、特に開設する必要がないと考えています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ウェブログを統合しました。

 「名古屋の小演劇インプレッション」と「#10の観劇インプレッション」を統合しました。

 これまで、どちらも小劇場演劇の観劇系ウェブログではありつつも、名古屋版と東京版では読む人が異なると考えて分離していました。しかしその必要性はそれほど大きくないことと、地域に関係しない一般的な話題をどちらに書くか困ることなどから、統合することにしました。

 名古屋版を置いているココログと東京版を置いているSeesaaブログが両者ともMovable Type形式でのログ書き出し/読み込みに対応したため、名古屋版の全記事を東京版に取り込みました。これにより、名古屋版の記事はすべて東京版にも同じものがある状態になっています(この記事は除く)。

 今後の記事は名古屋での観劇も東京版(というか統合版)に書きますので、名古屋版の更新は停止します。サイトは当面このまま残しますが、もしブックマーク等をしている方は統合版に変更していただいた方が良いと思います。

#10の観劇インプレッション

 そして私はまだ当分の間、東京と名古屋を行ったり来たりで観劇を続ける見込みです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

企画決定から公演までの準備を1週間で行うというチャレンジ

 西田シャトナー演劇研究所と東海シアタープロジェクトが、3月7日に七ツ寺共同スタジオで「感じわる大陸」を上演するとのこと。この話が決まったのは2月25日に開かれた飲み会らしいが、酔ったはずみで決めたわけでもないようだ。「企画決定から公演まで一週間で準備」と聞くと無謀としか思えないが、このメンツなら是非見てみたい。

 今まさにスタッフや役者をかき集めているようなので、万全の準備や練り込まれた演技演出は期待できないだろう。しかし劇場に足を運ぶという行為は、完成した作品を見に行くことではなく、作品が完成する瞬間に立ち会うということだ。熟練の技を堪能するのも良いが、時にこうした破天荒なチャレンジがあってこそ新しい何かが産まれるのではなかろうか。その瞬間に立ち会うことができれば幸せだ。

 残念ながら私は平日に名古屋まで足を運ぶのは無理ですが、遠い空から応援しています。

「シャトナー研 1週間後に七ツ寺で公演 役者・スタッフ・観客募集」(TTP)

西田シャトナー演劇研究所

マカロニノート(プロデューサー大橋氏のウェブログ)

| | コメント (0) | トラックバック (2)

「名古屋市の文化施設の条例改定を考える会」

 fringeのトピックで知りましたが、「名古屋市の文化施設の条例改定を考える会」という団体が名古屋市に要望書を提出したそうです。私はもう名古屋の人ではありませんが、名古屋の演劇に縁のある者として紹介しておきます。

名古屋市の文化施設の条例改定を考える会
 http://nagoya.cool.ne.jp/jourei/

 提出されたのは「指定管理者制度導入にともなう劇場施設の条例改定についての要望書」というもの。上記サイトに全文掲載されています。要点としては、施設の運営を民間委託する前にまず市としての文化政策理念を明確にし、それに即した条例を定める必要がある‥‥というもののようです(本文は長いのでまだ熟読していませんが、斜め読みしただけでもかなり具体的な提案が述べられていることがわかります)。

 名古屋市における指定管理者制度については「Notes〜即興ナル日常」のにしむらさんが何度か書かれています(最近では1月20日の記事「指定管理者制度のゆくへ〜名古屋市営冷水プールの場合」など)。

 現在は市の外郭団体である文化振興事業団が管理していますが、新制度によっていわゆる“民営化”される可能性が高い状況であり、一歩間違えれば文化より経営を重視する運営になりかねないのは多くの関係者が危惧するところでしょう。また、運営団体の姿勢によっては燐光群の共催取り消し問題のようなことが再発する可能性もあります。名古屋で文化活動をしている方々は注目すべき事項だと思います。

 ひとつ気になったのは、上記団体のメンバーがどうも年配の方ばかりのように見える点です。年齢が書いてあるわけではありませんが、肩書きを拝見する限りお世辞にも若手が多い印象は受けません。これから先の長い期間を左右する問題だけに、若い世代がもっと議論に参加して欲しいと思います。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

乳牛テクノロマンス「ニジイログッバイ」

乳牛テクノロマンス
「ニジイログッバイ」
千種文化小劇場
05/02/11-13
作・演出:乳牛テクノロマンス
出演:和嶋敦子/渡辺真輔/新居麻衣子/山本登/桃原隆介/千田敬大/枡田真衣

 広告代理店勤務のアヤは、コピーライター志望だが無職の恋人と共に、学生から未亡人まで個性的な人々が住む町田荘でにぎやかな日々を送っていた。そこへある日、小学校で親友だったチカが突然訪ねてくる。6年生の時に起きたある出来事のため、アヤは十年以上もチカの手紙を拒んでいた。

 学生、社会人、プー、未亡人、引きこもり。こんな顔ぶれのアパートもなかなかないと思うが、バランスよく絡みあって楽しい生活が描かれていた。食事中の会話は台本があるのかアドリブでトークしてるのかわからないほど自然だった。山本登が演じる世話好きのおばさんは見事。だんだん彼が本当におばさんに見えてきた。

 物語のキーになる小学校時代のエピソードは、明かされてみれば拍子抜けするほど些細なことだ。でも子供の頃は確かにその程度のことも重大で深刻だった。些細だからこそ、ずっと忘れることが出来なかった気持ちがよく伝わってきたと思う。心に響くというより染み込んでくる作品だった。

 エンディングの虹は綺麗だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

試験管ベビー「Baby Canival」

試験管ベビー
「Baby Canical」
スタジオ・座・ウィークエンド
05/01/15-16
作・演出:かこまさつぐ
出演:かこまさつぐ/五坊良美/浅井拡敬/加藤奈々/樋口友幸/前田恵子/千賀好通/則竹洋一郎/吉森治

 「(株)シケンカン商事の人々」「試験管日和」「試験管ベビーのスカイダイビング」の3本立て。前二者が1時間で後者が30分の総入れ替え制で、チケットの買い方がややわかりにくかった。作品自体は悪くないが、システムはもうちょっと洗練の余地があるだろう。

 「試験管ベビーのスカイダイビング」は昨年のE−1グランプリ出品作で、名古屋でトップ、全国大会で2位になっている。スカイダイビングの飛行機の中で交わされる、とにかくくだらない会話の応酬。3作の中で、一番いつもの試験管ベビーらしかったと思う。たっぷり笑えた。

 「(株)シケンカン商事の人々」は、何をやっているのか良く分からない会社を舞台にしたお話。まるで仕事していない先輩達の姿はナンセンスギャグの一種かと思いきや、ラスト近くでしっかり理由付けがされる。ただ、別に理由付けがなくても構わなかったのではないか。

 「試験管日和」はショートコント集。笑えるものもあったが、終わり方が締まりのない場合が多く、やや不満を感じた。

 全体として、作品のスタイルを今後どうしていくか試行錯誤している印象を受けた。もともとストーリー性のある芝居よりもコントと言うべき舞台を作ってきた劇団なので、悩むところも多いのだろう。ただ私は従来の試験管ベビーのスタイルが好きだし、それを望む観客はたくさんいると思う。外野からの無責任な発言ではあるが、これまで培ってきたスタイルを生かして発展してもらいたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

爆烈K・A劇団「二月のディナー」

爆烈K・A劇団
「二月のディナー」
ひまわりホール
05/01/14-16
作:平石耕一
演出:平塚直隆
出演:中尾達也/金良華/ジル豆田/斎藤ちひろ/美月ノン/下郷鍵

 途中に10分間の休憩をはさんで40分の芝居を二本。こういうペースも悪くないと思う。
 第一話。三人の元エレベーターガールが友人の結婚を祝うため、その友人の弟が経営するレストランに集まる。彼女達は昔話と共に弟から姉の言葉を引き出していくが、お互いの秘密と確執が次第に浮き彫りになっていく。
 第二話。イギリスの田舎町で日本人女性が経営するレストランに、新婚旅行中の日本人カップルが訪れる。喜んで地元の見所を教えたりしてもてなすが、カップルの仲はぎくしゃくしている。やがて二人は喧嘩をはじめてしまう。

 爆烈K・A劇団の作品を観たのは初めてだが、劇団名から想像していたような賑やかな舞台ではなく、セリフが中心の静かな芝居だった。しみじみした作風も悪くはないが、いまいち物足りなかった。本編より、休憩時間に中尾達也ともう一人(誰?)がおこなったコントみたいなものの方が面白かった気がする。

 セリフ中心の作品は、一層の演技力が求められると思う。下手な役者だととかく過剰な演技になる。今回の役者は決して下手ではないと思うが、やや自然さに欠ける印象を受けた。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

「名古屋の小演劇スケジュール」終了しました。

 2年間にわたって名古屋の小劇場演劇の公演情報を伝えてきましたが、予告どおり2004年末をもって終了しました。この間、多くの方に支えていただいたことを深く感謝します。

 今後の公演情報については、アキさんが作成している「中部地区の観劇情報サイト Rush!」をご活用ください。

 そして私#10は、主に東京地区の小劇場を見るようになりました。そちらの観劇記録は別サイト「#10の観劇インプレッション」で報告していますので、興味ある方はそちらを参照ください。さらに東京地区の小劇場演劇については新しい情報サイト「東京の小演劇スケジュール」を開始しました。東京へ足を運ぶ機会のある方はどうぞご利用ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カルマツイ「恋愛耐湿」

カルマツイ
「恋愛耐湿」
G/pit
04/12/29-05/1/2
作・演出:刈馬カオス
出演:松井真人/鹿目由紀/加藤裕子

 男のアパートのバスルーム。下着を脱いでバスタブに横たわる女と、傍らに立つ男。そこへもう一人の女が訪れる。何これ、どういうこと?‥‥そして始まる泥沼の愛憎劇。二人の女は先輩後輩。浮気がばれて慌てる男の言動は女の確執に包まれながら理解できないほどに崩れていく。まともなのは誰か。立ち去るべきは誰か。

 45分が2時間以上に感じるほど息苦しく、ずっと手に汗を握りつづけていた。全身に力が入っていたため、観劇後はひどい肩こりに襲われた。心地よい観後感を得たければ刈馬作品を観てはいけない。この作品はそんな説を強く裏付けるものだろう。救いの無いディープな空気に浸りたい人にこそ最適だ。

 狭い舞台に数少ない客席で、観る者としても逃げ場がない。逃げ場があれば逃げていたかもしれない。一生に2回くらいはこんな泥沼を経験してみたいものだが、実際その場に立てば死ぬほど嫌だろう。自分は男なので男の立場に我が身を重ねて見たくなるが、ここまで狼狽する見苦しい人物に感情移入もできない。痛々しいまでに愚かな男に同情の余地もなく、狂気じみた言動に恐怖すら感じた。かと言って女二人が正常かと言えばそうでもない。ラストのセリフが最後に残された救いの道すら砕いて暗転する。

 松井真人はハートフルコメディを得意とする劇団あおきりみかんの看板俳優。彼がこういう役を演じるのは初めて見たが、役者としての力量を再確認させられた。正直、始まってしばらくはこの男優が松井真人だと信じられなかったほどだ。鹿目由紀はその作・演出を務める主催者で、役者として見るのは初めて。しかしこういう芝居ができるのなら、もっと舞台に立って欲しいと思う。加藤裕子は所属するB級遊撃隊とは別の舞台で見たことがあり、その時はさほど注目しなかったのだが、今回の舞台で見直した。

 とにかく濃いことこの上ない作品だった。ぐったり疲れて帰途に着きながら味わう気分は、マゾヒスティックな快感なのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

愛知県文化振興事業団プロデュース「water witch 〜漂流姉妹都市〜」

愛知県文化振興事業団プロデュース
「water witch 〜漂流姉妹都市〜」
愛知県芸術劇場小ホール
04/12/10-12
作:スエヒロケイスケ
演出:寺十吾
出演:夕沈/寶満公子/茂手木桜子/ジル豆田/畠中晴代/高橋由希/ヒート猛/中村榮美子/矢野健太郎

 30年近く引きこもりの長女、長女に虐げられながら離れられない次女、二人を放置して遊びまわる三女。いびつな三姉妹が経営する女性専用マンションの屋上で繰り広げられる、“ハードメルヘン/中年少女ブラックコミック”。三姉妹の憎悪と依存、怪しい計画で暴走する住民、半分偶然に越してきた女性警官、それらが微妙にからみあいながらも混ざることなく物語は進行する。

 第4回AAF戯曲賞受賞作とのことで、場所や団体を違えて何度か上演されている作品だが、私が観たのは初めて。スエヒロケイスケ氏の戯曲は今年1月の「XCOW XICOカフェイン/036ウォーター」を観たことがあるが、やはり醜態をさらし罵声を飛ばす人物が何人も登場する、濃密な作品だった。

 好き嫌いが分かれる‥‥という言葉はこの種の作品を評するときの常套句なので使いたくないが、あまりアングラ系の舞台を観たことのない客には刺激が強いのは間違いない。ただ少なくとも、今では社会問題として広く認識されている「引きこもり」について、安直なドキュメンタリーよりは長く心に残る「光景」だったろう。特に明確な結末がないことも手伝って余韻の残る舞台だと思う。

 ちなみにこの作品は、「AAF戯曲賞ドラマリーディング」として来年8月にも上演されることになっており、今年4月に長久手で公演して好評だったOrt-d.dが手がける(サイトプレマガの記事)。都合がつけばそちらも観に行って比較してみたい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

«名古屋と東京の小演劇を比較して